工場でよく聞く用語集 働き始める前に知っておきたい現場の言葉を解説

ものづくりの現場では、「段取りを確認して」「このロットを検査して」「治具を交換して」など、普段の生活ではあまり耳にしない言葉がたくさん飛び交います。そのため、初めて工場で働く人は、「段取りって何をするの?」「ロットってどういう意味?」「治具って何?」など、知らない言葉にきっと戸惑ってしまうはず。
そこで今回は、事前に知っておきたい工場用語をピックアップして、未経験の方でもわかりやすいように、具体的な使用例を交えながら詳しく解説します。
工場では現場ならではの言葉がよく使われる

工場では、製品を効率よく、事故なく安全に、一定の品質を保ちながら製造するために、現場で働く人の共通言語として、さまざまな専門用語が使われています。これらの専門用語は、研修や日々の業務を通じて一つひとつ学んでいけるため、最初は意味がわからなくても大丈夫。でも、あらかじめ用語の意味を知っていれば、先輩からの説明や作業指示がより理解しやすくなります。すべてを覚える必要はありませんが、これから工場で働こうと思っている人は、基本的な用語だけでもチェックしておくとよいでしょう。
▼製造業の仕事に関する詳しい記事はこちらをチェック
製造業ってどんな仕事?代表的な職種とおすすめの職種を詳しく解説!
作業・生産でよく使われる用語

まずは、製品をつくったり、品質を管理したり、日々の仕事で耳にすることが多い基本的な用語を紹介します。
1.現場でよく使われる作業用語
段取り
作業をスムーズに進めるための準備や、その手順を指す言葉
です。たとえば、製造する製品に合わせて機械の設定を変更したり、必要な材料や工具を用意したりする作業が「段取り」にあたり、「段取りをしておいて」「次の製品の段取りに入って」といった使われ方をします。また、製造する製品を切り替えるために、機械の設定や金型などを変更する作業(製品に合わせて新たに段取りをし直す作業)のことを「段取り替え」と呼ぶ場合もあります。
ロット
同じ条件(同じ仕様、材料、製造日など)でまとめて製造する製品の単位のことです。1ロットが何個になるかは、企業や製品によって異なり、100個の場合もあれば、1,000個の場合もあります。なお、1回の機械の段取りで連続してつくる製品のまとまりのことを「製造ロット」、○個以上でないと注文を受け付けないとする最低個数のことを「最小ロット」と呼びます。
製造現場では、ロットごとに「ロット番号」を付けて管理します。これにより、いつ、どのような条件で製造された製品かを確認しやすくなります。検査や出荷の工程では、「このロットを検査して」「このロットを出荷して」のように使われます。
品番
製品や部品の種類を識別するために付けられた番号や記号のことです。同じような形状の部品でも、サイズや材質、仕様が異なれば、別の品番が付けられます。製品の取り違えを防ぐために、品番の確認は不可欠。工場では「品番を確認してから作業してください」「次はこの品番を製造します」といった使われ方をします。
工程
製品が完成するまでの作業の流れや、それぞれの作業段階を指す言葉です。たとえば、加工→組立→検査→梱包といった作業の流れで製品をつくる場合、「加工」「組立」など、一つひとつの作業が「工程」にあたります。工場では「次の工程に流す」「前工程で不具合が見つかった」といった使われ方をします。
2.品質・検査に関する用語
QC(品質管理)
QCは「Quality Control(クオリティ・コントロール)」の略で、日本語では「品質管理」を意味します。製品の品質を一定の水準に保つために、製造工程を管理したり、不良品が発生する原因を調べたりする活動のことを指し、工場によっては、現場スタッフがグループで品質改善に取り組む「QCサークル活動」が行われていることもあります。
良品
決められた品質基準や検査基準を満たしている製品のことです。たとえば、傷や汚れがなく、寸法や性能が基準内に収まっている製品などが良品と判断されます。検査の現場では「良品と不良品を分ける」「良品を次の工程に流す」といった使われ方をします。
不良品
決められた品質基準や検査基準を満たしていない製品のことです。傷や変形がある、寸法が規格から外れている、部品が正しく取り付けられていないといった製品が不良品に該当し、不良品を見つけた場合は、間違って出荷されないように、決められたルールに従って報告・対応する必要があります。
手直し(リワーク)
不具合のある製品を修正し、決められた品質基準を満たす状態にするための作業です。たとえば、取り付け位置がずれている部品を付け直したり、組み立てに不備がある製品を修正したりする作業が「手直し」に該当します。ただし、すべての不良品を手直しできるわけではありません。製品や不具合の内容によっては、修正せずに廃棄する場合もあります。
抜き取り検査
製造した製品の中から一部を選んで検査を行い、その結果から全体の品質を判断する検査方法です。たとえば、製品を1,000個製造した場合、そのすべてを検査するのではなく、その中から10個だけを抜き取って検査し、あらかじめ決めた基準を満たしていれば、残りの製品も問題ないと判断します。すべての製品を検査するよりも時間や手間を抑えられるため、大量の製品を生産している工場などで採用されています。
全数検査
製造した製品を一つ残らず検査する方法です。たとえば、製品を100個製造した場合、100個すべての状態や品質を確認します。すべての製品をチェックするため、検査には時間がかかりますが、個々の製品の不具合を発見しやすいというメリットがあります。
▼検査の仕事に関する詳しい記事はこちらをチェック
未経験でも活躍できるってホント?工場の「検査」の仕事を詳しく解説
工場設備・作業環境に関する用語

工場には、製造作業を効率よく進めるための設備や、安全で清潔な作業環境を維持するためのルールがあります。ここでは、設備や作業環境に関する用語を紹介します。
1.設備・機械に関する用語
治具(じぐ)
製品や部品を固定したり、作業する位置を決めたりするために使う補助工具のことです。穴を開ける位置がずれないように部品を固定する道具や、部品を正しい位置に取り付けるための専用工具などが「治具」にあたり、治具を使うことで、作業の正確性や効率がアップします。製造現場では「治具に部品をセットして」「治具を交換して」といった使われ方をします。
コンベア
製品や部品、材料などを自動で運ぶための搬送設備のことです。動くベルトの上に製品を載せて搬送する「ベルトコンベア」の他、ローラーの上に荷物を載せて転がして移動させる「ローラーコンベア」など、一言で「コンベア」と言ってもさまざまな種類があります。
パレット
製品や材料などを載せて、まとめて保管・運搬するための台のことです。「パレット」には木製やプラスチック製、金属製などがあり、フォークリフトなどを使って製品を運搬する際によく使用されます。工場では「製品をパレットに載せて」「パレットを所定の場所に移動させて」といった使われ方をします。
2.作業環境・安全に関する用語
クリーンルーム
空気中のホコリや異物、微生物などを一定の基準以下になるよう管理した特殊な作業スペースのことです。電子部品や半導体、医薬品、精密機器などの工場で使われており、クリーンルーム内では専用の作業服を着用して作業を行います。また、入室時にはエアシャワー(ホコリなどの異物を吹き飛ばして除去する装置)を使用するなど、クリーンルーム内に異物を持ち込まないように厳しいルールが設けられています。
クリーンウェア
クリーンルームなどで着用する専用の作業服のことです。作業する人の衣服や体から出るホコリ、髪の毛などが製品に付着するのを防ぐために使用されます。頭や体を覆うつなぎタイプのものや、上下が分かれたタイプなどがあり、作業環境によってはマスクや手袋なども着用します。
5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)
工場で安全かつ効率的に作業するための、基本的な活動を表した言葉です。5つの言葉をローマ字にしたときの頭文字がすべて「S」であることから、「5S」と呼ばれています。
・「整理」 必要なものと不要なものを分け、不要なものを取り除く
・「整頓」 必要なものを決められた場所に置き、すぐ使える状態にする
・「清掃」 職場や設備を掃除し、きれいな状態にする
・「清潔」 整理・整頓・清掃が行き届いた状態を維持する
・「しつけ」 決められたルールや手順を守る習慣を身に付ける
工場では「5Sを徹底しよう」「作業後は5Sを意識して片付けましょう」など、日常的に使われる言葉です。
まとめ

このように、工場では普段の生活ではあまり耳にしない言葉がたくさん使われています。今回はその中からよく使われる用語をピックアップしてご紹介しましたが、工場によっては、独自の用語が使われていたり、同じ言葉でも使い方や意味が異なったりする場合があります。そのため、「何のことを指す言葉?」「この意味で合っている?」など、少しでも疑問に思ったときは、そのままにせず、必ず確認するようにしましょう。
製造業は専門用語が多いため、難しそうに感じるかもしれませんが、未経験からスタートできる仕事がたくさんあります。アシストアイでも未経験者向けの工場の仕事をたくさん紹介しているので、少しでも興味がある人はぜひチャレンジしてみてください。





















